
ONVOブランドが10万台量産ラインオフ、L90がマイルストーンに
中国の新興EV(電気自動車)メーカー、蔚来(NIO)が展開するファミリー向けサブブランド「ONVO(楽道)」は、大型電気SUV「L90」の累計生産台数が10万台に達し、工場から正式にラインオフ(ロールアウト)したと発表しました。これにより、同社は今週末にも累計10万台目の新車納車(デリバリー)を迎える見込みです。
急ピッチで拡大する販売実績と成長スピード
ONVOブランドは、2022年11月に累計納车台数1万台を突破して以来、驚異的なペースで成長を続けています。2023年2月には3万台、同年6月には5万台に達し、今回の10万台達成へと至りました。特に2024年4月時点での累計約8万台から、残る2万台をわずか数ヶ月で生産・納車しており、中国国内の大型SUVセグメントにおいて異例の急成長を遂げています。
L90の投入と戦略的価格設定
主力モデルである大型電気SUV「L90」は、正式発売後、わずか2ヶ月足らずで2万台のデリバリーを達成。同クラスの大型SUVとしては中国の自動車市場において最速の販売ペースを記録しました。
L90の強みはその柔軟な購入モデル与競争力のある価格帯にあります。
- 車両本体購入プラン:26.58万元〜29.98万元(約530万円〜600万円)
- BaaS(Battery as a Service:バッテリー・サブスクリプション)プラン:17.98万元〜21.38万元(约360万円〜430万円)
BaaSプランを選択することで、初期費用を大幅に抑えつつ、ライフスタイルに合わせたバッテリー運用が可能になります。
独自のバッテリー交換ネットワーク「NIO Power」の恩恵
ONVOは、親会社であるNIOが中国全土に整備した巨大なバッテリー交換インフラ(バッテリースワップステーション)をそのまま活用できます。中国の主要高速道路に沿って展開される「9縦11横16大都市群」のネットワークにより、平均180kmごとに交換ステーションが配置されています。
これにより、EVオーナーは数十分かかる急速充電を待つことなく、わずか数分で満充電のバッテリーに交換して再出発できます。テスラをはじめ多くのEVメーカーが急速充電器の整備に注力する中、NIOおよびONVOはこの「バッテリー交換方式」を武器に、長距離走行時の利便性で明確な差別化を図っています。
ONVOのラインナップと今後の展望
現在、ONVOブランドは「L90」およびミドルサイズSUV「L60」の2車種を展開しています。L60は標準航続モデル(555km)が20.69万元(約410万円)から、長距離モデル(730km)が23.59万元(約470万円)で提供されており、テスラ「モデルY」などの競合に対抗しています。
10万台のラインオフはONVOにとって重要な節目ですが、今後はさらなる生産規模の拡大に伴うサプライチェーンの安定化や、バッテリー交換ステーションの稼働率向上が求められます。さらに、中国市場での成功を足がかりに、今後は日本を含むアジア太平洋地域や欧州などへのグローバル展開も視野に入っており、世界のEV市場における存在感をますます高めていくでしょう。
出典: IT之家
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