
中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した第41回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、2017年の中国のネットエンターテインメント分野は急成長を維持し、なかでもライブ配信ユーザーは4億2,200万人に達し、前年比22.6%増を記録しました。
CNNICのアナリストは、「強い市場需要、政策による促進と誘導、企業による豊富なリソースの投入が、ネット文化娯楽産業の全面的な繁栄期入りを後押ししている」と分析します。実際に、ライブ配信サービスを運営する大手プラットフォームの営業収入は右肩上がりの急成長を続けていました。
「全民直播」—— 一億総ライブ配信時代の到来
このネットライブ配信サービスは、中国語で「直播(ジーボー)」と呼ばれます。当時、中国国内には確認できるだけでも200以上の配信プラットフォームが乱立しており、1日のアクティブユーザー数は合計で約2,400万人に達していました。メディアが「全民直播時代(一億総ライブ配信時代)」と形容するほどの社会現象となっていたのです。
日本国内では当時、ニコニコ生放送やツイキャス、SHOWROOMなどが認知され始めていた段階でしたが、中国市場における普及スピードと商業化(マネタイズ)の熱量は圧倒的でした。中国では2015年頃からインフルエンサーを指す「網紅(ワンホン)」という言葉が流行語になり、それに伴いライブ配信キャスターは「中国版ユーチューバー」のような憧れの職業として定着しました。
中国の「直播」における2大ジャンル
中国のライブ配信市場は、主に以下の2つのジャンルに分かれて発展しました。
- ゲーム実況(ゲームストリーミング)
- 日本でも馴染みの深いジャンルです。プロゲーマーや人気ストリーマーが対戦ゲームを実況し、視聴者とリアルタイムでチャット対話しながら進めるスタイルです。
- 社交実況(ソーシャルショー配信 / 秀場直播)
- 中国独自の発展を遂げたのが、この「秀場(ショウジョウ)」と呼ばれるジャンルです。キャスターが歌やダンスなどの特技を披露したり、視聴者からの質問や雑談に答えたりして、オンライン上のコミュニケーション自体をエンターテインメント化するものです。
投げ銭(ギフティング)からライブコマースへの進化
視聴者にとって、弾幕(画面上を流れるコメント)を通じてキャスターと双方向で対話し、バーチャルギフト(投げ銭)を贈ることで直接名前を呼んでお礼を言ってもらえる体験は、非常に強力な中毒性を生みました。人気キャスターには月間数千万円規模の投げ銭が集まることも珍しくありませんでした。
さらに、この膨大なファンとトラフィック(PV)を背景に、多くの人気キャスターがタオバオなどのECプラットフォームでネットショップを開設し、自らプロデュースした服やコスメを配信中に実演販売する「ライブコマース(直播EC)」へと進出。これが今日の中国巨大ライブコマース市場の原点となりました。
情報源:CNNIC、新華社
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