
タイ警察と軍当局は、タイ国内を拠点に「WeChat(微信)」上の広告クリック数やページビュー(PV)数、フォロワー数を組織的に水増ししていたとして、中国人の男3人を逮捕した。当局が踏み込んだアパートの部屋は、いわゆる「クリックファーム(クリック農場)」と化しており、ラックに並べられた約500台のスマートフォンと、約35万枚にのぼる未使用の通信用SIMカードが押収された。
現地英字紙『バンコク・ポスト(Bangkok Post)』の報道によると、タイ国内にはネット上のインプレッションやクリック数の水増し(アドフラウド)を直接処罰する法律は未整備だという。しかし、中国国内では不正競争防止法などの違反にあたり、深刻な社会問題となっていることから、今回は中国政府からの情報提供や捜査要請に基づき、タイ警察が協力する形で摘発に踏み切った模様だ。逮捕された3人は、タイの入国管理法違反(不法就労等)の容疑で訴追され、近く中国へ強制送還される見通しである。

デジタル広告業界にとって、このような「クリックファーム」やボットによるアドフラウドは、広告予算が搾取される死活問題となっている。
米業界誌『アド・エイジ(Ad Age)』の取材に対し、上海のデジタル広告会社幹部は、「WeChatで水増し用のサクラ(偽アカウント)やボットを利用するのは、モラルの欠如した代理店による古典的な手口だ。クライアントに対して『こんなにファンを獲得できました』『キャンペーンは成功しました』と虚偽のレポートを報告し、成果を偽装するために行われている」と業界の暗部を告白している。また、当時の米国の調査データによると、広告主はこうしたボットによる無効クリックやフェイクインプレッションによって、世界全体で年間約60億ドル(約6,600億円)規模の損失を被っていると推計されている。
情報源:DailyMail
コメント
...