2016年の中国における観光総収入は、前年比13.6%増の4兆6,900億元(約76兆6,667億円)に達した見込みです。国連世界観光機関(UNWTO)の試算によると、中国の観光産業が同国の国民経済に対して貢献する割合は11%に達し、雇用への総合的な貢献度は10.26%を超え、世界有数の観光大国としての存在感を示しています。
こうした中、春節(旧正月、2017年は1月28日)の大型連休を控え、中国人観光客の旺盛なインバウンド需要を取り込むため、世界各国でビザ発給要件の緩和措置などの争奪戦が激化しています。
春節の海外旅行者は過去最高の600万人超へ
中国のオンライン旅行大手「Ctrip(現Trip.comグループ/携程)」が発表した「2017年春節観光ビッグデータ報告」によると、今回の春節は旅行先や海外で年越しを迎えるスタイルが過去最高の人気を集めており、海外旅行に出かける中国人観光客は延べ600万人を超える見通しです。
人気のある海外旅行先トップ10は以下の通りです。
- タイ
- 日本
- 米国
- シンガポール
- オーストラリア
- マレーシア
- 韓国
- インドネシア
- フィリピン
- ベトナム
例年に比べてツアー価格の急激な高騰は落ち着いており、為替の影響や航空路線の拡大により、各目的地の価格動向には差が出ています。米ドル高の影響で米国やフィリピンのツアーが10%程度値上がりしているのに対し、日本向けツアーの価格は比較的安定しています。
ノービザ・到着ビザの拡大が勢力図を塗り替える
中国人観光客の誘致に向けて、ビザ発給要件の緩和が決定的な要因となっています。
今回の連休では最長で10日間の休みを確保できる層も多く、米国やオーストラリアといった中長距離路線への人気が高まっています。また、アラブ首長国連邦(UAE)によるアライバルビザ(到着ビザ)の導入や、モロッコのノービザ(査証免除)化、タイによる期間限定のビザ申請料金の無料化といった政策が功を奏し、これらの目的地への予約が急増しています。
その結果、従来春節の定番だった香港や台湾といった地域から、ノービザで渡航できる国々へと観光客のトレンドがシフトしており、各国のインバウンド獲得競争は新たな競争局面を迎えています。
情報源:参考消息
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