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    訪日中国人が旅行中に求める「コト消費」と日本のインバウンド課題

    訪日中国人の旅行スタイルが団体旅行から個人旅行(FIT)へシフトする中、新たに浮上した「日本人と友達になりたい」「日本料理を作りたい」といった体験型ニーズ(コト消費)や、英語が通じないなどの日本旅行に対する不満点をソーシャルデータから読み解きます。

    訪日中国人が旅行中に求める「コト消費」と日本のインバウンド課題

    「爆買い」という言葉から、かつて春節(旧正月)シーズンに話題をさらった「温水洗浄便座」や「高級炊飯器」を連想する方も多いでしょう。当時のデータでもこれらの家電製品は常に訪日中国人の購入ランキング上位を占め、メディアでその爆買いの様子が大きく報じられました。

    しかし近年、こうした高額家電の売れ行きはかつてほどの勢いを見せていません。その背景には、日本旅行のリピーター層の増加と、旅行スタイルそのものの変化があります。アンケート調査によると、依然として半数の旅行客が大型家電を購入しているものの、「購入しなかった」と答えた人の理由の多くは「すでに購入済み(50%)」や「大きくて重い(30%)」が占めています。

    この変化に伴い、中国の消費者がSNS上に書き込む「日本旅行での不満点」から、日本のインバウンド対策における新たな課題が浮き彫りになってきました。

    ソーシャルデータから見る「日本旅行への不満点」の具体例

    中国のSNS上に投稿された日本での買い物やサービスに対する不満の声には、以下のようなものが挙げられます。

    • 接客対応への不満:「ずっと店員を呼んでいるのに来ない。絶対に目が合ったのに無視された。日本はサービスが良い国だと聞いていたのにがっかりした」
    • 店舗側の対応キャパシティ不足:「店員が殺気立っている。これだけ中国人客が押し寄せたら無理もないが、もっと店員を増やすべきだ」
    • 室温調節の違和感:「店内が暑すぎる。せめて中国人がたくさん来ている時だけでもエアコンの温度を下げてほしい。気分が悪くなった」
    • 言語バリア(英語・中国語が通じない):「この靴の色違いがあるか、と英語で聞いても全く通じないのは絶望的。店員にがんばってほしい」

    これらの不満の多くは、これまでの「団体旅行」ならではのハードなスケジュールや、特定のルート(東京〜大阪間のゴールデンルート)に観光客が集中し、店舗の受け入れ態勢が追いついていないことから生じています。さらに、最も多い不満は「デパートやショップの閉店時間が早すぎる」という点でした。夜間の時間帯にようやく自由行動となっても、日本の店舗はすでに閉まっているため、深夜まで営業している中国の都市に慣れた観光客には不便に映るようです。

    「モノ」から「コト(体験)」へシフトするインバウンド需要

    こうした団体旅行への不満は、インバウンドの「個人旅行(FIT)」化を加速させています。調査では、日本に再び旅行したいと考える回答者の8割以上が、次は個人旅行を選ぶと答えています。

    個人旅行化が進んだことで、ニーズは「爆買い」のような物販購入から、日本ならではの体験を求める「コト消費」へと明確にシフトしています。

    中国人のSNS上のクチコミを分析した「労働節(5月の連休)に日本でやりたいこと」のトレンドデータでは、以下のような新たな需要が急浮上しています。

    「日本人と友達になりたい」

    この需要は2016年春頃から急上昇しました。中国では「外国人の友人がいること」がステータス(面子)となる側面もあり、人気の旅行先である日本で現地の友人と交流することは、SNS上での自慢や良質な体験の証になります。

    「日本料理を作りたい」

    単に和食を食べるだけでなく、「そば打ち」「わさび作り」「箱寿司体験」といった体験型コンテンツが人気を集めています。この需要は昨年末からランキング上位に定着しています。

    訪日中国人のニーズが多様化・個人化する中、企業や店舗は「言葉が通じないから避ける」といった消極的な接客ではなく、翻訳ツールの活用や、体験型コンテンツの提供、決済手段の拡充(AlipayやWeChat Payへの対応)といった、ちょっとした改善で対応できる課題が多くあります。リピート客を増やし、観光立国としての質を高めるための柔軟な姿勢が今求められています。

    情報源:トレンドExpress

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