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    中国政府が「代購」の税関検査を強化、爆買いから国内回帰へ

    中国政府が海外からの買い付け代行「代購(ダイゴウ)」への取り締まりを強化。虚偽申告への罰則引き上げや関税率のアップ、銀聯カードの海外引き出し制限などを通じ、グレーマーケットを排除して消費の国内回帰と税収確保を目指す狙いを解説します。

    中国政府が「代購」の税関検査を強化、爆買いから国内回帰へ

    中国政府は、海外からの買い付け代行サービスを利用した輸入商品への関税を引き上げるとともに、高級品を個人用スーツケースに詰めて密輸入するグレーマーケットの取り締まりを急速に強化しています。この動きは、中国国内における消費活動を活性化させると同時に、これまで税金逃れに利用されてきた非公式の流通ルートを排除する政府の強い方針を反映したものです。

    世界の高級品市場における歪み

    世界の高級品市場において、中国人の購入額は全体の約3分の1を占めています。しかし、中国本土における高級品の売上高は、世界全体のわずか5分の1にとどまります。この差を埋めているのが、海外ECサイト経由の直輸入や、中国人観光客の海外旅行時の買い物、そして**「代購(ダイゴウ:個人輸入代行業者)」**と呼ばれる存在です。

    代購は、パリやミラノ、東京などで買い付けた高級ブランド品をスーツケースに詰め込んで中国国内へ持ち帰り、ソーシャルメディア(WeChat等)や専用のECプラットフォームを通じて転売する手法で莫大な利益を上げていました。

    国内消費への打撃とブランドの内外価格差

    このグレーマーケットの横行は、中国政府にとって貴重な税収を失うことを意味するだけでなく、中国が輸出主導型経済から「消費主導型経済」へのパラダイムシフトを図る上で大きな障害となっていました。

    シャネルなどの一流ブランドは内外価格差を是正するため、中国での価格を引き下げる措置を取りましたが、それでも一部の最新バッグなどは、パリやミラノ、日本で購入する方が中国国内より数割安く手に入る状態が続いていました。

    また、中国の消費者が海外購入を好む理由には、単なる価格差だけでなく、中国国内で偽物を掴まされるリスクを回避したいという「本物へのこだわり」や、品揃えの豊富さ、現地サービスの手厚さも挙げられます。

    「代購」規制と越境ECへの移行

    こうした問題に対抗するため、中国政府は2016年4月8日付で、インターネット経由の個人輸入および代購が持ち込む製品に対する大幅な増税(新たな行郵税・越境EC新税制)を導入しました。

    • 関税の引き上げ:海外から注文される時計への税率は30%から60%へ、ジュエリーは10%から15%へ引き上げられました。
    • 税関検査の厳格化:空港の税関窓口における手荷物検査が強化され、大量の高級品を運ぶ旅行者への課税や押収が徹底されました。
    • 外貨流出規制:決済プラットフォーム「中国銀聯(UnionPay)」カードを使った海外での年間現金引き出し額が、カード1枚につき10万元(当時のレートで約170万円)までに厳しく制限されました。

    日本のインバウンド市場への影響と越境ECプラットフォームの台頭

    この一連の法改正により、日本のドラッグストアやデパートで発生していた中国人観光客による「爆買い」や、日本在住の代購業者による買い占め行動は大きな曲がり角を迎えました。

    しかし、代購を通じた非公式流通が締め出されたことで、アリババの「天猫国際(Tmall Global)」やネットイースの「考拉海購(Kaola)」といった、正規の手続きを踏む「越境EC」プラットフォームへの需要が急速に移行することになります。日本のブランドにとっては、個人バイヤーに依存する状態から、正式なチャネルを通じて中国市場へ直接進出するチャンスへと変わる転換点となりました。


    情報源: ロイター

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