2025年日本国際ロボット展で中国企業が人形ロボット半数を占める
2025年12月6日、東京国際展示場で開催された日本国際ロボット展が閉幕し、出展ロボットのうち人形ロボットの過半数が中国企業からのものでした。協働ロボットと人形ロボットが注目を集める中、特に中国の先端技術が国内外の関心を集めました。

2025年12月6日、東京国際展示場で開催された日本国際ロボット展が閉幕し、出展ロボットのうち人形ロボットの過半数が中国企業からのものでした。協働ロボットと人形ロボットが注目を集める中、特に中国の先端技術が国内外の関心を集めました。
本稿では、展示会の概要と中国企業の出展状況、代表的なロボット「G1」の技術的特徴、そして中国国内の人形ロボット産業の現状と課題について詳しく解説します。
日本国際ロボット展の概要と中国企業の出展比率
本展は4日間にわたり開催され、産業ロボットからサービスロボットまで幅広い分野の最新技術が披露されました。特に、協働ロボット(コラボレーティブロボット)と、人形ロボットが将来のサービス業・物流・医療への応用が期待されるとして注目を集めました。
出展された人形ロボットのうち、半数以上が中国企業によるもので、これは過去の出展実績と比較しても顕著な増加です。中国企業は、技術力の向上とともに、国際市場への積極的な参入姿勢を示しています。
注目の中国製人形ロボット「G1」
宇樹科技(ユッシュテクノロジー)が展示した「G1」ロボットは、今回の展示会で最も話題となった製品です。G1は全身に最大43個の関節モーターを搭載し、複雑な動作を再現できる点が特徴です。
さらに、深度カメラと3Dレーザーレーダーを組み合わせたセンサー群により、360度全方位の環境認識が可能です。このセンサー情報は、ロボット内部の大規模言語モデル(LLM)と連携し、リアルタイムで制御指令を生成します。TechShare社の重光貴明代表取締役は、G1は同社の四足歩行ロボット「Go」シリーズの運動性能を受け継ぎつつ、LLMがロボット制御の中枢として機能し、顧客が二次開発を行える柔軟性を持つと述べました。
技術的ハイライト
・関節モーター数:43個
・環境認識:深度カメラ+3D LiDAR、360度カバー
・制御基盤:大規模言語モデル(LLM)を搭載し、自然言語指示やプログラム的二次開発をサポート
これらの要素は、従来の産業ロボットが持つ固定的な動作パターンを超え、人間と同様の柔軟な動作と認知能力を実現する方向性を示しています。
中国における人形ロボット産業の現状
国家発展改革委員会(国家発改委)は、近年新興資本の参入が加速し、国内で150社以上の人形ロボット企業が存在すると公表しました。そのうち半数以上がスタートアップや他業種からの参入企業です。
李超氏(業界アナリスト)は、企業数の増加はイノベーション促進に寄与すると評価しつつ、製品の重複や市場の飽和リスクについて警鐘を鳴らしています。特に、類似した機能を持つロボットが多数市場に投入されると、研究開発資源が分散し、技術的突破口が見えにくくなる可能性があります。
産業規模と成長予測
近年、イノベーションと需要の二重の牽引により、人形ロボットを中心とした具身(embodied)インテリジェンス産業は年平均50%以上の高速成長を続けています。市場調査機関の予測によれば、2030年までに中国の人形ロボット市場規模は千億元(約1000億人民元)に達すると見込まれています。
しかしながら、技術路線、商業化モデル、適用シーンの成熟度はまだ十分ではありません。ハードウェアの小型化・軽量化、バッテリー持続時間、自然言語理解の精度向上など、解決すべき課題は多岐にわたります。
日本市場への影響と今後の展望
日本はロボット技術の先進国として長い歴史を持ちますが、近年は国内メーカーだけでなく、海外特に中国企業の技術力が急速に向上しています。今回の展示会で中国製人形ロボットが多数展示されたことは、日本企業にとって競争環境の変化を示すシグナルです。
日本政府は来年、純国産の人形ロボット開発を試作する計画を発表しており、国内産業の存在感を維持しようとしています。一方で、中国企業は既に実証実験や商業展開を進めており、価格競争力やカスタマイズ性で優位性を持つケースも増えています。
今後、日本企業は技術提携や共同開発、オープンイノベーションの活用を通じて、差別化された価値提供を模索する必要があります。また、規制や安全基準の整備も重要な課題です。
まとめ
2025年日本国際ロボット展は、中国企業が人形ロボット分野で大きなシェアを獲得したことを示す重要な場となりました。宇樹科技のG1は、関節数・センサー融合・大規模言語モデルという先進的な要素を組み合わせ、次世代ロボットの方向性を提示しています。中国国内では150社以上の企業が参入し、年平均50%以上の成長を続ける一方で、製品の重複や技術成熟度の課題も浮き彫りになっています。日本市場においては、国内外の技術競争が激化する中で、差別化戦略と規制対応が求められます。